「エネルギーが強い人」って、いますよね。
その場にいるだけで空気が変わるような人。
発言力があって、人を惹きつける力を持っている人。
でも、エネルギーが強いからといって、それが「純粋」であるとは限りません。
エネルギーが強い人は、時に、弱い人を支配することもできてしまいます。
本人がそのつもりじゃなくても、無意識に空気をコントロールしてしまったり、
力で人を動かしてしまったりすることがあるのです。
だからこそ大切なのは、「強さ」だけでなく「純度」。
どんなエネルギーを持っているかではなく、それをどんな意図で使っているか。
今日は、エネルギーの「強さ」と「純度」という2つの軸から
“現実創造”や“引き寄せ”のちがいについて、お話していきます。
それぞれのタイプには、アニメのキャラクターを例に挙げながらご紹介しますね。
ご自身の状態を振り返るヒントになれたらいいな、と思っています。
エネルギーの「強さ」と「純度」
まずはこの二つの言葉が指すものを、簡単に整理しておきます。
エネルギーの強さとは、どれだけ影響力があるか。
発信力があるとか、空気を変える力があるとか、パワーの大きさのことです。
一方で、純度とは、どれだけ混じり気がないか。
エゴや恐れ、他人を変えたいという意図がどれくらい含まれているかによって、エネルギーの質は変わってきます。
たとえば「正義感」も、それが怒りやコントロールと結びついていたら、純度は下がります。
逆に、穏やかな表現でも、自分と深く一致していれば、純度は高い状態です。
4つのタイプと、それぞれの引き寄せ力
この「強さ」と「純度」の組み合わせで、人のエネルギーは大きく4つに分かれます。
それぞれに、どんな引き寄せ力があるのか、代表的なキャラクターを例えてみます。
タイプ① エネルギーが強くて、純度も高い
【例:モンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)】
ルフィは明るくてまっすぐ。
自分の信じたものに正直で、誰かを無理に変えようとはしない。
でも、その在り方が自然と人を惹きつけて、結果的にまわりが動いていく。
このタイプの人は、必要な出会いやチャンスが向こうからやってくることが多いです。
でもその分、人から期待されたり、依存されたりしやすいので、エネルギーの境界線を保つことも大切です。
タイプ② エネルギーは強いけれど、純度が低い
【例:夜神月(DEATH NOTE)】
ライトは、圧倒的な頭脳と影響力を持っている人物。
けれどその強さには、支配欲や恐れが混ざっていて、
引き寄せたものが次第に破壊と孤独に変わっていきました。
このタイプは、意図が濁っていると、望んだ現実だけでなく、望まない現実まで一緒に引き寄せてしまうことがあります。
タイプ③ エネルギーは穏やかだけれど、純度が高い
【例:三葉(君の名は。)】
三葉は、派手な言動をするわけではないけれど、
その誠実さや内側の透明さが、深いところで人に伝わっていきます。
このタイプの人は、時間はかかっても、確実に物事を引き寄せていきます。
目に見えにくいけれど、静かに大きなものが動いている。
そんな印象を与える人です。
タイプ④ エネルギーも弱くて、純度も低い
【例:のび太(ドラえもん/初期)】
「どうせ自分なんて」と思って、自分を信じられない。
エネルギーが内側にこもってしまい、現実を動かす力が出てこない状態です。
でも、ここが「はじまりの地点」になる人も多いです。
自己一致を始めることで、エネルギーの質も強さも自然と変わっていきます。
私自身にも、こんな経験があります。
人の顔色をうかがってばかりで、本音を言うことが怖かった時期。
自分の気持ちがわからなくなるほど、自分を抑え込んで生きていました。
友達と何を食べるかという、ちょっとした話をしているときでさえ、
私が「これがいい」と言っても、みんなスルーするんです。
聞こえてないのかな、と思うくらい反応がなくて、
自分の存在がどんどん薄くなっていくような感覚がありました。
でもあるときから、少しずつ本音を大切にするようになりました。
勇気を出して、自分の気持ちをそのまま伝えてみる。
誰かに合わせる前に、自分の心に聞いてみる。
それを続けていくうちに、周囲の反応が明らかに変わってきました。
同じように意見を言っても、なぜかそれがすっと通るようになったり、
気がつけば私の一言でみんなの決定が自然とまとまっていたり。
「ツルの一声」みたいだね、と言われたこともあります。
でもそれは、声が大きくなったわけでも、主張が強くなったわけでもない。
ただ、自分の内側とエネルギーが一致したからなんです。
これが、本当の意味での“エネルギーの強さ”なんだと思いました。
純度を高めるとは、自分と一致すること
強くなることは、ある意味で簡単です。
外に向かって発信すること、勇気を出して挑戦すること。行動すること。
誰かを動かすことは、慣れれば誰でもできます。
でも、「純粋であること」は、実はとても難しい。
自分に嘘をつかないこと。人が決めた常識やルールではなく自分の美徳で生きること。
沈黙や孤独に耐えてでも、自分と深くつながること。
純度の高いエネルギーは、静かだけれど、
深くて、優しくて、そして何よりも人の心を動かします。
エネルギーが強いだけでは、時に人を傷つけてしまうことがあります。
その強さをどう使うかによって、引き寄せる現実は大きく変わります。
だからこそ、自分の中にあるエネルギーを
「何のために使いたいのか」
「どんな意図で使っているのか」
「自分はどういう世界を創りたいのか?」
その問いを、丁寧に見つめてあげてください。
どんなタイプであっても、気づいた瞬間から変化は始まります。
あなた自身のエネルギーが澄みはじめたとき、
世界は、少しずつ静かに動き出していくのだと思います。
石田由起子