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サロン 幸せのヒント 日常

約束

不思議で悲しくて、少しだけ温かい出来事があったので書いてみたいと思います。

2/4に机の引き出しを整理していると、明智光秀のポストカードが出てきました。
3年前にタイムウェーバーセッションを受けられた新規クライアントさんが、私のプロフィールを見て「明智光秀が好きですよね?」と持ってきてくれたものです。

会ったこともない私が喜ぶところを想像して用意してくれたことがとても嬉しく思いました。
その方のお人柄もとても素晴らしく、初めてお会いしたのに大好きになりました。

その方はここから1時間半くらい車で行った場所でご家族でお店を経営されている方で、そのあたりはドライブで時々行っていたので、近くに行った際は必ず寄ります、と約束をしました。

しばらくはその約束を覚えており、近くに行く機会があれば必ず行こう、と思っていたのですが、近くに行くことが一度もなかったことと、そのクライアントさんがそれ以降セッションを受けられることがなかったので、次第に思い出す回数も減ってきて、最近はすっかり忘れていました。

それがポストカードを見つけた瞬間にその方のことを思い出し、約束を不履行していることに気づき、申し訳なく思いました。


当時は調子よく社交辞令で言ったわけではなかったし、1回限りのクライアント様だったからといってぞんざいにしたつもりは一切ないのですが、結果的にそうなっているな、と思うと自分が情けなくなり、とりあえず連絡をしてみようと思いました。

しかし、その方の名前が思い出せないのです。


顔は覚えているし、相談された内容も覚えているのですが、お名前が思い出せず困りました。公式ラインは1年以上前のトーク履歴は見れなくなるので、ラインに登録いただいている800人以上のクライアント様の中から、どの方なのか特定することができませんでした。

名前がわかったらその方に連絡をして、時間がかかっても必ず会いにいこう、と思った次の日のことです。

ある方から「体験セッション希望」とラインが来ました。
ラインに表示されているお名前(Nさんとします)は見たことがあるけれども、どの方かわからない。

いつも通り「セッションご希望ですね?」と返信したら、このような返信がありました。

「Nは一昨年に亡くなりました。ラインを確認中タップしてしまいました。すみません」と、亡くなったNさんのご主人様からです。

その瞬間に、Nさんはポストカードをくれた方に違いない、と思い、尋ねると、その通りでした。

Nさんに会いに行くと私は約束していたのに、会えないまま亡くなっておられました。

Nさんについて考えた次の日に、亡くなられたはずのNさんからのラインが来る不思議。

ご主人様とNさんのお話をラインでやり取りをしていると、悲しくて泣けてくるのですが、なぜかすごく温かいのです。Nさんから「思い出してくれてありがとう」と言われている気がして。

私は今回、Nさんのおかげで一つ学んだことがあります。

「人との約束を果たす」ということは、人のためではなく自分のためだということ。

いつかきっと、と思いながら先延ばしをしたり、不義理をしていると、今回のように強制的に約束を果たせなくなるような状況がくるかもしれない。それは、後悔や罪悪感が生まれて確実に自分の魂を傷つけるような気がします。

自分がずっと胸を張って生きていくために、自分の言葉と行動に責任を持つことを、改めて誓いました。

家族思いでとても笑顔が素敵なNさん、ありがとうございました。会いにいけずにごめんなさい。

石田由起子