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幸せのヒント

許す

「許す」

これは私の中でも一番大きなテーマの一つでした。

セッション中に「ご両親を許しましょう」「過去のパートナーを許しましょう」と言う事が多くありますが、私の中でもまだ未解決な課題でした。

3年前にタイムウェーバーに出会い、私の中では「許す」問題が80%は解消したのですが、20%の「許せない」が残っていました。

対象は母親でした。

生んで育ててくれた母親を許せない自分を許せない。

クライアントさんに「許しましょう」と言いながら母親を許せていない自分が許せない。

母親を許す話だったはずなのに、「許せない自分を許せない」というストーリーを新たに作り上げていました。

「許す」は私が一生向き合わなければならない問題だと思っていたのですが、最近残りの20%もほぼ解消できました。おそらく、今後、私は他人に対してネガティブな思いを引きずることはないと思います。

その「許し」のきっかけとなった本の一節をご紹介します。

”ゆるすという行為は、相手に渡してしまったエネルギーをまた自分に戻して100にしてあげる作業のことです。相手のしたことを無しにしてあげる作業ではありません。それよりも、自分自身にパワーを戻して前進する力を取り戻してあげる行為であり、それを「ゆるし」と呼んでいます。”

”許すからといって、相手の行為をよしとするわけでも、その行為に対する相手の責任がなくなるわけでもありません。「責任」と「許し」は、別のものです。許しとは、「その状況を正しく理解する」という行為です。そして、「その状況に対する判断をゆるめる」ということです。”

(スピリチュアルakiko 「ゆるし」のすごいチカラ)

私はこの文章で「許す」ハードルが大きく下がりました。

「許す」とは、辛い過去を無き事にすることだと思っていたからです。

「許す」とは、過去や自分以外の人に引きずられることなく、自分に集中をして、今できることを淡々とする、ということだと感じました。

「今を生きる」ということですね。

過去の辛い出来事も、一方向から見るだけではなく、色々な方向を見る癖をつけてジャッジを少しずつ緩めていく。

筋トレみたいに、最初は苦痛を伴うけれども、色々な方向から辛い出来事を見ることを続けていたら、

「私も同じことをしてきたよね」とか「あの状況だったら仕方ないよな」とか「あの人の愛のカタチだったのかな」と、少しジャッジが緩まります。

ジャッジが緩まると自然に心が軽くなり辛い出来事や他人に引きずられることが少なくなります。

中には「許すことをしたくない人」もいると思います。ずっと恨んでいた方が気が楽な人。ずっと被害者でいた方が楽な人。なぜなら被害者でいる限り、自分をずっと正当化できるから。

私は「許し」と「自立」はほぼ同じ意味だと思っています。

許すことで、初めて「自分には何ができたのかな?」「これから私は何ができるかな?」と考えることができる。これこそが、他人や出来事に左右されない精神的自立です。

許せない間は、被害者意識なので、変わるのは相手だと信じ切っていて、自分が動くことは考えることができない。

目の前に現れる現象は全て、自分が自分にかける言葉でできていると思っています。

自分自身に

「あなたはひどい目に遭ってきた可哀相な被害者だ」と言い続けるのか、

辛いできごとを許し、自分に集中して

「あなたは、辛い出来事もなかった事にできる自立した人だ」と言い続けるのか。

何より大切な自分のための許しを。

石田由起子