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幸せのヒント 日常

自立活動

「自立活動」がブームです。

「自立活動」とは文字通り、できるだけ自立する活動です。

どこまで、身の回りのことを一人でできるかのゲームです。

私は面倒くさがり屋で機械音痴で方向音痴で不器用なので、なにかと最初から諦めて家族や友人に頼ります。

そこをあえて人に頼まずに自分でトライするのが「自立活動」です。

時間がかかり、効率的ではないのですが、苦手だったことを自分一人で成し遂げた時の達成感は格別です。

毛嫌いしていたことが意外と簡単にできたりすることも多く、苦手だと思っていたことをいくつか克服できました。自己肯定感も上がります。

自分は何もしないくせに、人に頼んだものの出来が思うようなものではなかった時には、文句さえ言っていた自分にも気づき反省しました(家具の組み立てを頼んで、雑な組み立て方をされて文句を言う、みたいなことは沢山あった)

「自立活動」をしていると、自分の周りにある当たり前が、当たり前ではないこと、どれだけ人に助けられているか気づくことができました。

そして、いかに自分が傲慢だったか気づかされました。

恥ずかしい話をさせていただきます。

私はあまり長く歩くことができないので、一人で好きなところに遊びに行くことはないのですが、夫は旅行、飲み会、買い物と楽しい所に一人で出かけるんです。

夫が一人で楽しんでいても、家で留守番をする私に気遣ってお土産でも買ってきてくれたら問題はないのですが、お土産もなく当然のように私を置いて一人で楽しまれると寂しくて悲しくてイライラしていました。

「歩くことができない私のことも気遣ったらどう?」「自分ばっかり遊んでないで、私もどこか連れていって!」なんて怒ったことも沢山あります(ああ、恥ずかしい)

しかし、「自立活動」をしていると、寂しさや悲しさや怒りがなくなりました。

私が歩けなくなったのは、私の不摂生や心の在り方や運命のせいであって夫のせいではないんですよね。

それなのに、どうして夫が一人で楽しむことに罪悪感をもたせようとしていたのか。どうして夫は私に気を遣う必要があるのか。どうして一人で遊びに行く度に私にお土産を買わなければならないのか。

本当に傲慢でした。ただ、私の「自立活動」が足りていなかった。

彼のように一人で楽しみたかったら、私もタクシーや介護サービスを使ったら、どこでも好きな所に自由に行けるのに。欲しい物があれば、自分で好きなものを買えばいいのに。そのお金がないのであれば、自分で一生懸命働いて稼げばいいだけの話でした。

自分で動くこともせずに、人を動かそうとして、構ってもらいたがって、文句を言って、ひがんで、すねて…

すごく格好悪い(笑)

私は「自分のことを好きでいること」の重要性を常々伝えていますが、「自立活動」でさらに吹っ切れて自分のことを好きになることができた気がします。

精神的、物質的に自立をする。

全て自分でしましょう!と言っているわけではありません。

物理的にできないこともあります。私には何ができるかな?と考えるだけで十分。

自立ができなければ、人に甘えてもいい。でも感謝を忘れずに。本来一人で生まれて一人で死んでいくもの。たまたま出会った人が助けてくれることは奇跡なのだから。価値観や能力が違うのだから結果が期待通りでなくても当然。助けてくれただけで感謝する。

それが、自分の人生に責任を持って生きていく、ということだと思う。

石田由起子